炭水化物抜きは本当に痩せるの?

ダイエット方法として炭水化物抜きが痩せると信じられているようです。人が太る理由と痩せる理由を考えた場合、摂取カロリーと消費カロリーを計算して摂取カロリーの方が多かったのか、消費カロリーの方が多かったのかが最大の要因です。

炭水化物を抜こうが抜くまいが、摂取カロリーの方がオーバーしていれば太ります。じゃあなぜ炭水化物抜きが痩せると信じられているのでしょうか。同じだけカロリーを摂取したとしても、炭水化物を抜くことで消費カロリーが多くなるとでも言うのでしょうか。

食事誘導性熱産生(DIT)で消費カロリーが増える

食事誘導性熱産生(DIT)をご存じでしょうか。普通は消費カロリーと言えば運動を連想されると思いますが、運動以外にも実はカロリーが消費されています。カロリーが消費されるものの1つが食事誘導性熱産生(DIT)です。

例えば寒い冬なんかに食事をしている時、体が温まってきた経験はありませんか。あるいは食事をしたら汗をかいてきた、といった経験はないでしょうか。

食事誘導性熱産生(DIT)とは、食べたものが消化される過程で熱が発生し、食べた物のカロリーの数%が熱エネルギーとして消費されることを言います。何かを食べると消化されて体に吸収されますが、食べた物を消化するためには消化器官が働きます。その消化器官が働く時にもエネルギーが必要なのです。

だから100kcalの食品を食べても、100kcalが体で有効に利用されるわけではありません。食べた100kcalのうちの数%は熱エネルギーとしてロスしてしまうので、ロスされずに残ったカロリーだけが体で利用されるのです。

例えば炭水化物を摂取した場合、その炭水化物が持つエネルギーの約6%が食事誘導性熱産生(DIT)として無駄にロスされます。炭水化物で100kcal摂取した場合は6%が熱エネルギーとして無駄に消費され、体に蓄えられるのは残った94kcalだけだというわけです。

三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂肪の3種類にカロリーがあるわけですが、これら3種類が食事誘導性熱産生(DIT)でロスする割合は異なります。食事誘導性熱産生(DIT)でロスする割合は次の通りです。

炭水化物・・・摂取カロリーの約6%
たんぱく質・・・摂取カロリーの約30%
脂肪・・・摂取カロリーの約4%

炭水化物で100kcal摂取した場合は94kcalが体で利用され、たんぱく質で100kcal摂取した場合は70kcalが体で利用され、脂肪で100kcal摂取した場合は96kcalが体で利用されるわけです。

要するに炭水化物抜きで痩せるわけではなく、カロリーをたんぱく質で摂取するから食事誘導性熱産生(DIT)のロスによって痩せるわけです。

炭水化物抜きは健康を害する

ただし炭水化物抜きの食事内容は健康を害してしまいます。どれだけ炭水化物を抜いたとしても、1日に炭水化物を180gは摂取するようにしましょう。

詳しくは別の記事に譲りますが、1日の炭水化物摂取量が180gを切ると心臓病や肝臓病の危険が高まり、さらには口臭や体臭もきつくなってしまうからです。

炭水化物抜きダイエットで基礎代謝が低下するマイナスのダイエット効果も、極端な炭水化物抜きをオススメできない理由の1つです。