筋トレでは基礎代謝が増えない?

もし筋トレしても基礎代謝がほとんど増えないとすれば…ダイエットのための筋トレはあまり意味がないものになってしまうかもしれません。

一般的には基礎代謝を上げるためには体に筋肉を付ける必要があり、体に筋肉をつけるためには筋トレを行う必要があると言われています。痩せやすい体質を築くためには筋トレを行う必要があるという考え方です。

では、なぜ筋トレを行って体に筋肉を付けると基礎代謝が上がると言われているのでしょうか。

筋トレで筋肉の一種である骨格筋が増え、骨格筋がカロリーを消費するから基礎代謝が上がると言われています。

骨格筋とは体を動かすための筋肉のことです。要するに歩いたり走ったりバーベルを持ち上げたり、あるいは日常生活で体を動かす時に使われる筋肉が骨格筋です。筋肉にはその他、血管や内臓を動かす平滑筋、心臓を動かす心筋があります。

基礎代謝とは何も体を動かしていない安静時に勝手に消費されるカロリーのことですが、骨格筋1kg当たりの基礎代謝量(骨格筋1kgが1日に消費するカロリー)は13kcalです。

それでは骨格筋全体の基礎代謝量はどれくらいなのでしょうか。体の骨格筋の全体量がわかれば、それ1kg当たりに13kcalをかけることで骨格筋全体の基礎代謝量を計算できます。

骨格筋の全体量を知る簡単な計算式は、「体重-体脂肪÷2」です。正確な数値とは言えませんが、体脂肪率の目安は最近の体重計で表示されるはずです。

例えば体重60キロの人が体脂肪率20%であった場合、体脂肪の量は12kg(60kg×20%)です。体重から体脂肪を引くと48kgで、これを2で割ると24kgとなります。よって体重60キロ、体脂肪率20%の人の骨格筋の量は約24kgが目安です。

骨格筋全体の基礎代謝量は24kgに13kcalをかけることで計算し、1日に骨格筋が消費する基礎代謝量は312kcalとなります。

実は体脂肪も基礎代謝でカロリーを消費しており、その消費カロリーは1kg当たり4kcalです。先ほどの例の人(体重60キロ、体脂肪率20%の人)の体脂肪全体の基礎代謝量は48kcalということになります。

もし食事制限を行って体脂肪を1kg減らし、さらに筋トレで筋肉を1kg増やした場合、基礎代謝量が9kcal増えるということになります。

しかし筋トレで筋肉を増やすにはトレーニングがかなりきつく、さらに女性の体は男性ほど筋肉が付きにくいという問題もあります。

筋肉が増える時には、体脂肪も一緒に増えるものです。言い換えれば、筋肉を増やすためには食事量を増やさなければならず、筋トレだけでは筋肉は増えないということです。

筋トレできついトレーニングに耐え、さらにたくさん食事をしてたくさんカロリーを摂取してこそ、筋肉の量が増えます。たくさんカロリーを摂取すれば体脂肪も増えてしまいますが、もし筋トレと食事制限を同時に行うと筋肉の量は逆に減ります。

だからボディービルダーなどは「筋トレと多食で筋肉と体脂肪を一気に増やす時期」と、「筋肉をできるだけ減らさないように注意しながら有酸素運動などで体脂肪を減らす時期」の2段階に分けてトレーニングを行います。

一方、普通の一般人が筋トレで増やせる筋肉の量は1日7gと言われ、年間に換算すると2.55kgです。これは基礎代謝量に換算すると33kcalです。

よって、筋トレで基礎代謝を増やすためには一時的に太る必要があり、さらに筋肉が増えても基礎代謝が増える量はわずかなので、一般人が筋トレで基礎代謝を増やすのは難しいという結論になります。

極端な食事制限で一度筋肉量を減らしてしまうと、再び元の筋肉量を取り戻すのに苦労しそうです。筋肉量をあまり減らさない緩やかなダイエットを行うように、最大限の注意を払う必要がありそうです。